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Dji Inspire 1 が発売されました。これは掛け値なしにカッコいい。アームが上下するなど想像すらできなかった斬新さです。
しかし買うかといわれると買わないでしょう。理由はカメラもバッテリーもパッケージ化しているからです。
他社のマルチコプターはカメラやバッテリーの選択を私たち客に認めているのに、Dji はそれを許さない戦略のようです(Phantom 2 Vision+ から)。これが将来的に不安です。
理由(1) もし墜落して(十分にあり得ます)、上下するアーム中心部が壊れたら使い物になりません。修理して、かつカメラもバッテリーも交換する可能性大です。ちなみに Inspire 1 の予備バッテリーは1個20,000円~24,000円!! 同性能の他社バッテリーは1個9,000円~11,000円だから倍以上です。
理由(2) GoPro3 (or 4) を使いたいし、将来良いカメラが発売されたらそれも使いたいのに使えません。6Sリポバッテリーなど10本以上あるのに使えません。
理由(3) Dji が中国人民解放軍と何らの取引もしていないと考える方はいないでしょう。そして、
12億人の中国は中間層の増大で今後食料その他の資源をめぐって日本等と争うのは必至です(良いもの食わせろという国民の欲求は何よりも強いと思います)。おそらく日中の緊張関係は強まることはあっても弱まらないと予想します(あくまでも最悪のケースを考えた個人的な予想です。そうでないことを強く願います)。
そんな中、今の日本のマルチコプター関係者の90%は Dji 頼みです。もし Dji が日本(だけ)への商品・部品の供給をストップしたら日本のマルチコプター関係者はお手上げでしょう。
そろそろ国産の商品を期待します。
というわけで現状 Dji に関して興味があるのは汎用性のある商品で、Inspire 1 では室内で GPS を受信できないときでも位置を保つことのできる Vision Positioning System です。このバラ売りを期待します。
ただし Dji のパッケージ戦略は嫌ですが、そのテクノロジーや独創性は素晴らしいと感心します。なんといっても今保有する4機の機体の頭脳部分は GPS、WooKong-M、NAZA-M V2 と全て Dji なわけですから。
また上記を分かったうえで買う、ただただカッコいいから買う、というのはありですね。羨望のまなざしを受けることは当面ほぼ間違いありません。
2015年4月7日追記: その後 Inspire 1 をお持ちのプロの方から直接聞きましたが、Inspire 1 の性能は予想以上に良いそうです。